2018年9月19日、東京大学の安田講堂に、日仏国交160周年を記念して開催された公開シンポジウム「共同宇宙探査宇宙飛行士の視点」を聞きに行った。
フランスからは、トマ・ペスケ宇宙飛行士が参加した。ペスケ飛行士は、197日間(2016年11月~2017年6月)ISS(国際宇宙ステーション)に滞在した。
同期で、同様にISSに滞在した日本人として、金井宣茂宇宙飛行士が話に加わった。彼はISSに168日(2017年12月~2018年6月)滞在し、今年、地球に帰還したばかりだ。地球に帰還してからは、身体の平衡感覚を取り戻す、すなわち地球の環境に適応するためのリハビリに励んだと言う。
日仏2人の対談の司会役を大西卓哉宇宙飛行士がされた。彼らは、2009年に宇宙飛行士に選出された同期ということだ。
現在まで、日本の宇宙飛行士は11人、フランスの宇宙飛行士は10人いる。これは世界的には多い方である。三桁の宇宙飛行士を輩出しているのはアメリカ)(300人以上)とロシア(100人以上)のみである。
詳しくは、fanfun.jaxa.jp/faq/detail/173.htmlにある。それによると、日本は、米露についで宇宙飛行士を輩出している国となる。
宇宙飛行士達のお話を聞き、本当に、宇宙飛行士達は、並大抵に人々ではないと、尊敬の念を大きくした。精神力、体力、気力、人格そして国際性と、それらを兼ね備えた人々である。もちろん、努力家で、優秀で、決して諦めない心を有し、情熱的でありながら、冷静沈着である。
日本人のフランス人も、英語はもちろんだが、ISSに乗り込むのに、ロシア語も徹底的に勉強する。ISS内では、様々な実験をする。大変忙しい毎日である。
初日から数日間は慣れずに天井に頭をぶつけるなどするが、とにかく最初の興奮は、「夢の中の夢にいるようだった。」とペスケ宇宙飛行士は述べた。
金井宇宙飛行士は、もともと防衛医科大学出身の自衛官の医師だった。お医者様ということもあって、「健康長寿のヒントは宇宙にある。」というテーマで、アルツハイマー型認知症や糖尿病の治療薬の実験も行った。
これまでに宇宙に行った人※1は、556人※2で、国別に表したものを以下に示します。
【出典】NASDA NOTE
NASA Human Space Flight ~History
【出典】NASDA NOTE
NASA Human Space Flight ~History
- NASA Astronaut Biographies
- 他最終更新日:2018年6月 7日
日本人のフランス人も、英語はもちろんだが、ISSに乗り込むのに、ロシア語も徹底的に勉強する。ISS内では、様々な実験をする。大変忙しい毎日である。
初日から数日間は慣れずに天井に頭をぶつけるなどするが、とにかく最初の興奮は、「夢の中の夢にいるようだった。」とペスケ宇宙飛行士は述べた。
金井宇宙飛行士は、もともと防衛医科大学出身の自衛官の医師だった。お医者様ということもあって、「健康長寿のヒントは宇宙にある。」というテーマで、アルツハイマー型認知症や糖尿病の治療薬の実験も行った。
金井宇宙飛行士は、日本人4人目となる(土井、野口、星出各宇宙飛行士に次ぐ)船外活動を行った宇宙飛行士である。野口聡一宇宙飛行士は、来年、再びISSに飛び立つ予定だが、彼は、かつて自らの船外活動について、命を賭けて行ったことを述べた。宇宙服を着ていると言っても、船外は未知の世界。その宇宙空間で人間が生きていられる保証は何もない。ISSの扉を二つ開け閉めしながら、死への覚悟もあったと言う。
だからだろう。金井飛行士は、シンポジウムの中で、しきりに、「先輩、先人達がやってきたことに感謝し、それを引き継ぎ、更に発展させたい。」との言葉である。未知への世界へ飛び込んで行った先輩宇宙飛行士への賛辞である。
金井飛行士は、国連宇宙部との連携協力(KiboCUBE)第1号として、ケニア、トルコ、コスタリカの超小型衛星の放出も行った。また、アジア諸国から募集した実験もしている。こうして、アジア・アフリカ諸国の宇宙開発や宇宙への参画にも貢献している。
通信面では、ISSから第2回国際宇宙探査フォーラムに参加したり、日露首脳会談で交信したりもした。まさに、「宇宙外交」が、日露、日米、日仏等、また多国間でも繰り広げられているのである。
だからだろう。金井飛行士は、シンポジウムの中で、しきりに、「先輩、先人達がやってきたことに感謝し、それを引き継ぎ、更に発展させたい。」との言葉である。未知への世界へ飛び込んで行った先輩宇宙飛行士への賛辞である。
金井飛行士は、国連宇宙部との連携協力(KiboCUBE)第1号として、ケニア、トルコ、コスタリカの超小型衛星の放出も行った。また、アジア諸国から募集した実験もしている。こうして、アジア・アフリカ諸国の宇宙開発や宇宙への参画にも貢献している。
通信面では、ISSから第2回国際宇宙探査フォーラムに参加したり、日露首脳会談で交信したりもした。まさに、「宇宙外交」が、日露、日米、日仏等、また多国間でも繰り広げられているのである。
安全保障面では、サイバーや宇宙空間での防衛が課題になっているが、宇宙飛行士達が行っている「宇宙外交」は、国際協力の場であり、平和の萌芽である。
宇宙が、対立から協調、協力への場となるなることを願って止まない。
宇宙に関わる国際チームには、米国人、ロシア人、日本人、ドイツ人、フランス人、カナダ人、イタリア人、英国人等が加わっている。こうして見ると、G7(ロシアを入れるとG8)諸国である。
「一流国家」とは何か、を考える時、それは(国際的に)一流の人をどれだけ輩出できるかではないだろうかと、素晴らしい宇宙飛行士の方々のお話を聞きながら思った。
ISS内では、生物、化学、物理、医療等の分野の実験が多くなされる。今年も、ノーベル生物学・医学賞に、京都大学の本庶特別教授が選出された。日本人として、とても喜ばしく思った。
宇宙でも、これら科学の基礎研究でも、未知の世界での発見を通じて、「人類」に貢献しよとする人々の誠意や熱意が感じ取れる。
大きなミッション(使命)を果たし成功させた宇宙飛行士達に「おめでとう」を言いたい。そして、「有難う。さらに、これからも「御気を付けて、宇宙の旅へ。」。
Bon Voyage!
月の明るい秋の夜長に。
*下記は、9月24日に放送された番組。上記した宇宙外交のお話をしました。
Bon Voyage!
月の明るい秋の夜長に。
*下記は、9月24日に放送された番組。上記した宇宙外交のお話をしました。
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