今もFoujitaの作品は、世界中で慕われている。
今年、私は、3つの藤田嗣治展に行った。
1つ目は、7月にパリのマイヨール美術館で開催されたものだ。パリ7区のお洒落なサンジェルマン地区の住宅街の一角にある小さな美術館。通常は彫刻家マイヨールの美術館である。この展覧会を知ったのは、あるニュースで、フランスの公共バスに藤田の自画像とともに広告が出ていたのを見たからである。
館内では、静かに作品に見入るフランス人が絶えなかった。教養がありどこか良さげなBCBG風のフランス人が多かった。
2つ目は、7月19日、パリから帰国した日に訪れた銀座のギャラリーためながの藤田嗣治展である。20日からの会期の前のレセプションで、藤田の多様な作品を鑑賞することができた。ギャラリーの創設者の為永清司会長は、藤田と親交があったと言う。そして、おそらく藤田に魅了したのだろう。二代目の為永清嗣社長の名前からも、それが想像できる。
3つ目は、昨日10月3日に訪れた上野の東京都美術館での藤田嗣治展。若冲展の時と同じ場所で、同様の混雑だった。平日の朝でも、各地から人が来ていた。美術館や音楽会、歌舞伎等、最近気づい事たが、文化にお金を使うのは女性が圧倒的に多い気がした。美術、すなわち美しい物への感情がより敏感なのかもしれない。そして、それらにお金を使うことを良しとする。
駅で見つけた都美術館の藤田嗣治展の広告の文章が目に留まった。「私は世界に日本人として行きたいと願う。」
藤田の言葉だろうか。私も全く同じ心境である。
私だけではない。子供達や教え子達、若い人達に、日本人の心と日本人としての気概と誇りをもって世界に羽ばたいてほしいと思う。どんな分野でもいいから一流を目指してほしい。
秋が少しずつ深まって行く上野公園の青空の下、藤田は私に人生の指針を示してくれたような気がした。
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