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2020年1月1日水曜日

謹賀新年 令和2年元旦

 令和の御代に入り、初めてのお正月。
 あけましておめでとうございます。
 2020年は、いよいよ東京オリンピックの年。

 鈴木くにこ著『オリンピックと日本人の心』(内外出版)は、増刷(3刷)が決まり、私のお誕生日1月13日付の出版となる予定です。
 また、英語版"The Olympics and the Japanese Spirit"も、まずは電子書籍で発売されます。
 その題字を、書家の渡邉麗先生に書いて頂きました。

 

 先生についえ、あとがきに、次のように述べました。実際に英訳されて発表されます。

[英語版表紙の題字について]
 美しく力強く、そして動きのある題字”The Olympics and the Japanese Spirit”。書家の渡邉麗先生に書いて頂いた。渡邉麗先生は、2019年(令和元年)産経国際書展にて、栄誉ある最高賞「高円宮賞」を受賞された。書の大家、國井誠海先生の後を継がれ、誠心社の会長を務めていらっしゃる。まさか、このような書の大家の先生に、拙著英語版の表紙を飾って頂けるとは思ってもみなかった。心から深く感謝申し上げる。
 先生が「高円宮賞」を受賞された作品「氣淑く風和らぐ」は、新しい御代「令和」の語源となった万葉集から引用されたものだ。それについて、先生は、「人々が美しい心で文化が生まれ育つ国であるように」という意味合いに感銘された、と述べられている。[i]
 はっとさせられた。本書『オリンピックと日本人の心』の冒頭で、筆者は、本書は一種の日本文化論であるが、それは独善的なものではなく、世界の文化ともつながりがあるかもしれないと述べた。そして、オリンピズムが人生の哲学そのものであり、オリンピックが、創設者クベルタン男爵が目指したように、人間性を高める機会だとすると、その理想は、「美しい心」を持つ人達が築く文化国家の発展なのかもしれない。そんなことを思うと、一流の文化国家であり続けたいフランスから、近代オリンピックが生まれたのも不思議ではないのかもしれない。
 渡邉麗先生は、また、「芸術とは人間そのものであり、」「日々刻々と移り変わる自分の『いのち』を見つめ、表現し、純粋な自己の証しを印すことです。」と述べ、「それは人間の心の奥底でつながり、何ものにもとらわれぬ万人の普遍的共感を呼びさますこととなります。」とおっしゃる。[ii]芸術しかり、スポーツしかり。日々生きていることを刻み、自己表現しながら、人々に感動を与えることがある。何故、オリンピックの競技は、人々に感動や勇気を与えるのだろうか。それは、そこに「いのち」の存在と表現があるからだろう。本書を通じて伝えたかったのも、人の「いのち」と「心」の物語である。
 渡邉麗先生とのご縁を下さったRobert D.Eldridge先生とAlain Roy氏にも感謝する。
 “The Olympics and the Japanese Spirit”――渡邉麗先生の題字は、既にオリンピックの競技が始まって動き出しているように見える。陸上か水泳か、それとも...。皆が元氣に走っている。そんな戯れが聴こえてきそうである。

 


[i] 産経国際書会「会報」(20199月号第94号)9頁。
[ii] 現代書の研究誌『誠心』(201912月号)1頁。




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