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2021年1月1日金曜日

2020年(令和2年)を振り返り (風と愛)

  今年は、世界中の多くの人達にとって、コロナ(Covid-19)で始まり、コロナで終わる年になりそうである。

 今日、大晦日に、東京では、初めて一日の感染者が1000人を超え一気に1337人となった。

 国内全体でも新規感染者が過去最多の4519人。4、5月の緊急事態宣言時より状況は悪いのに、危機感は薄くなっている。

 常に忘れずにいたいのが、コロナ禍でも毎日、人と触れ合い命をつないでいる医療従事者らのこと。これからの季節、コロナ感染者のみならず、心筋梗塞や脳梗塞も起こりやすく、救急で治療が必要になることも多いだろう。

 新年のお祝いの中でも、そんな人達のことを忘れずに、そっと心を寄せていたい。

 

 今年、コロナ禍で、風通しの良さが重視された。

 密閉空間が良くないということで、ドアや窓を開けて換気を良くすることだ。

 風通しをよくするとは、別の意味で、コミュニケーションが上手く行き、オープンで明るい人間関係が存在することを言う。

 また、風力発電など、自然の力の存在も認識させられた年でもあった。

 日本の歴史では、時々、「神風」が吹くが、風神(風の神様)が、今年は、色々な所で、様々なことを教えてくれた。

 2月に栃木県の足利大学で講演をさせて頂いた時、理事長の牛山泉先生には、風力エネルギーについて教えて頂いた。

  新国立競技場の設計に携わった隈研吾先生は、次のようなことを述べられた。

「 オリンピックが1年延期になるということは、その「風通しのよい幸福」に気づきなさい、目覚めなさいというメッセージであるようにも感じられる。気づいてから、集い、祝いなさいと諭されたようでもある。この1年間を、その新しい幸福の学習のために使いたいと思う。

 11月の秋の地域の文化蔡の書展に出した今年のお題が、偶然にも、「恵風和暢」。

 来年には、恵みの風が吹いてくれるだろうか。


 その文化祭の直後に、ある佐賀県の尊敬する方から届いたパッケージの表にあった言葉が、「みどりの風を贈ります」だった。文化祭の作品の色紙を、書道の豊田先生とともに、緑色を選んだのも、偶然。
 「みどりの恵みの風」が吹いて、心地よいお日和をもたらしてくれるのが来年ではないだろうか。そんな期待、希望を持っていたい。

 そして、豊田九華先生ご自身は、「強い、賢いものではなく、変化に対応できるものが生き残るのだ」とのダーウィンの言葉をお書きになった。

  風の変化を感じて、それに乗る、自然にさからわない、そんなことが大事なのかもしれない。 



 「順風も逆風もあり 走馬燈」、同じ書展で、これも出合った一作品。
  どんな風も、人生の一場面。追い風も、向かい風も、上手く利用すれば良い。
 いよいよ2021年(令和3年)は、東京オリンピック・パラリンピックの、「2020+1年」の年。この「+1」をどう捉えるか。
 そして、令和3年は、東日本大震災からちょうど10年。この10年、日本では、世界では、どれほどの災害、テロ、そして感染症と、無常(無情)にも、人々の命が失われてきたのか。でも、命は失われても、いのちは繋がれ、生きてきた人々の生きた証、精神は残る。
 来年、明日、将来への希望をつないで、行きたいと思う。
 拙著『オリンピックと日本人の心』、英語版’’The Olympics and the Japanese Spirit''、
是非、読んで頂きたい。題字をそれぞれ書家の大家の先生お二人に書いて頂いた。
表紙絵は、フランス在住の若手日本人に描いて頂いた。翻訳・編集は、「青い目のサムライ」にして頂いた。多くの人の心の入った2冊。感謝を込めて、改めて紹介する。



 

 

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