2019年9月13日金曜日

皇后陛下とソフトボール、そして福島

 2019年9月11日、皇居にほど近い二重橋前駅にある外国特派員協会(FCCJ)にて、東京オリンピックを盛り上げる企画が開催された。
 そこに現れたのは、日本ソフトボール協会の徳田寛会長、宇津木妙子副会長、そして来年、オリンピックで日本代表として戦う選手たち。選手たちは、目の前で、キャッチ・ボールのデモンストレーションをして下さった。速い。きれい。格好いい。そして、キャッチする時の心地良い音。感激!
 2008年の北京五輪で日本が金メダルを取ってから暫く五輪競技に選ばれなかったソフトボール。来年の東京五輪で、12年ぶりに復活。是非、一戦一戦を大事にして、金メダルをとって君が代を聞かせてほしい。
 来年2020年3月、聖火リレーは、福島からスタートする。そして、東京オリンピックの開会式は、7月24日の夜に行われる。その開会式より前に、最初の競技として開催されるのが、ソフトボール。それも福島あづま球場で。
 福島は、2011年の東日本大震災の最大の被災地の一つ。特に、福島第一原子力発電所があることから、見えない放射能の被害で、いまだに戻れない地域がある。そして、関係なう所でも、福島というだけで風評被害で物が売れない。そんな福島の復興を支援しているのが、実はソフトボールの選手や関係者。それだけではない。スポーツそのものが、人々を健康にさせ、勇気、夢を与えることができる。
 拙著『オリンピックと日本人の心』の中でも、私は、「復興とオリンピック」について書き、福島のことにも触れた。また。「皇室とオリンピック」という章を設け、皇室の方々がいかにスポーツに親しんでいらっしゃるかについても記述した。
 11日の会では、徳田会長が、ソフトボールは、かつては誰でも楽しんだ、
皇后陛下もされていました、と述べ、かつて皇后陛下が若き頃、ソフトボール部でプレイされていたお姿を想い出した。皇后陛下は、日本でも、米国でもソフトボールを楽しまれた。
 来年、東京オリンピックの開会宣言を、
今上陛下がなさる。それなら、ソフトボールの始球式、プレイボールを
皇后陛下がなされては・・・・・・。そんなアイデアが、宇津木監督の「プレイボール」の乾杯の音頭を思い出しながら、浮かんだ。







上皇后陛下と福島

 上皇后陛下は、2019年9月8日、乳がんの摘出手術をお受けになられ、2日後の9月10日、無事、東大病院をご退院された。順調なご快復と末長いご健康をお祈り申し上げたい。
 上皇后陛下というと、昨年、福島を訪れた際に聞いたエピソードを想い出す。
 私が、福島県郡山市を訪問したのは6月末だったが、丁度、その前、6月9日から、当時の天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后両陛下)が、福島県を行幸啓された。
 以下のサイトで、両陛下が郡山駅にご到着され、沿道の市民らから大歓迎をお受けになっていらっしゃる様子が見ることができる。
 https://www.youtube.com/watch?v=R3pI-eQOEs8
 天皇皇后両陛下としては、最後となる被災地ご訪問。その時の以下の記事で、2011年3月11日以来、いかに両陛下が原発の被災地にお心を寄せられていらしたかがわかる。
https://www.youtube.com/watch?v=CNTvku_1ufg
https://www.asahi.com/articles/ASL644CYFL64UTIL022.html
 さて、私が現地で聞いたエピソートとは、上皇后陛下のことである。全国植樹祭にご臨席された両陛下。その日は、あいにく雨で、寒い日だった。お疲れもあり、
当時の皇后陛下は発熱された。しかし、翌朝、ご体調がよくなられると、予定通り、全行程を天皇陛下とともにこなされたと言う。頭が下がる思いである。
 上皇后陛下が皇室に入られてからの歩みは並大抵なことではなかったと想像する。が、
陛下は、常にご自身よりも他の方のことを気遣われる。だから、
天皇陛下に何か物が投げられた時にとっさに手をお出しになり防ごうとされたり、
天皇陛下に直接手紙を渡そうとした人がいた時も何気ない合図をされたりした。
 上皇后陛下の御存在で、どれほどの方が癒されたか。有難きことである。
 上皇后陛下が順調にご快復され、皇室のますますのご繁栄をお祈り申し上げる。