2018年11月24日土曜日

皇太子同妃両殿下ご臨席の灯台150周年記念式典

2018年11月1日、国土交通省・海上保安庁主催の灯台150周年記念式典がパレスホテル東京で挙行され、参列する機会を得た。式典には、皇太子同妃両殿下がご臨席された。妃殿下のご臨席は式典開始の1時間程前に正式に決定したそうだが、両殿下お揃いでのご臨席は、灯台150周年式典をより華やかなものにした。私もとても嬉しかった。

 同式典において、皇太子殿下は、次のようなおことばを述べられた。



 「我が国における灯台を始めとする航路標識の整備が,政府事業として明治元年に始められてから満150年を迎え,その記念式典が挙行されることをうれしく思います。
 灯台は,内外多数の船舶にひとしく利用され,日夜,船舶交通の安全を守る大切な使命を担っていますが,その背景には,創業当時から,常に最新の技術と創意工夫とによって,航路標識をより見やすく,信頼性のあるものへと改善してきた歴史があります。そして,孤島やへき地といった厳しい環境にも耐えて灯火を守り,航海の安全に尽くしてこられた多くの人々の絶え間ない御苦労があったことを忘れることはできません。
 私自身,4歳の頃,両親と共に初めて千葉県に旅行した際に野島埼のじまさき灯台を訪れました。その後も幾つかの灯台を訪ね,灯台に課せられた重要な使命を感じることができました。また,灯台守を描いた「喜びも悲しみも幾歳月」の映画や歌の歌詞も印象に残っております。これまで,過酷な環境の中で任務を果たされてきた灯台守の方々に心から敬意を表します。(下線筆者)
 近年の航路標識は,技術の進展によって著しく近代化が進み,海上安全情報の提供や,海上交通の管制等によって,海の安全・安心の確保に一層寄与していると聞いております。
この機会に,過去150年にわたる先人の業績と関係者のたゆみない努力に敬意を表するとともに,灯台を始めとする航路標識が,今後とも船舶交通の安全確保に貢献し,我が国を囲む海が一層安全で,美しく,豊かであることを願い,式典に寄せる言葉といたします。 」
(宮内庁ホーム・ページより)




海上保安庁交通部『海を照らして150年』より
皇太子殿下のおことばの後、ピック駐日フランス全権大使が祝辞を述べられた。何故、フランスの大使かと言うと、150年前の日本初の洋式灯台の建設に携わったのが、フランス技師、フランソワ=レオンス・ヴェニエ氏だったからだ。ヴェニエは、皇帝ナポレオン3世の任命で日本に派遣され、横須賀造船所の建設に関わっていて、明治政府の要請で、灯台の着工も行なった。今年は、明治維新から150年でもあり、明治元年に、日本はフランスの技術を借りて近代様式の灯台を建て、海を照らして、日本の安全を守り、海洋国家として発展してきた。本年は、日仏国交樹立160周年でもあり、7月14日には、自衛隊がフランスの軍事パレードに参加し、皇太子殿下は9月7日からフランスに行啓された。安倍総理も10月に訪仏された。これらを受け、ピック大使は、灯台が船を導き、未来の道を示すように、日仏交流が未来永劫に発展するように、との祝辞を述べられ、最後を、日仏交流に「栄光あれ!」と日本語で締めくくった(原語はフランス語で逐次通訳あり)。

 150年前の1868年11月1日に着工された日本初の洋式灯台は、横須賀の観音崎灯台である。現存のものは関東大震災で破壊され建て替えられたものだそうだが、全国には、明治期に造られ今でも運用されている灯台が64基もあると言う(全国合計は約300基)。いかに先人達の技術が高く、かうそれを維持・発展させてきた灯台守達が素晴らしかったかが想像できる。そのうち、現在でも特に優れているAランクの灯台として23基が指定され、それらには、例えば、犬吠埼灯台、金華山灯台等がある。1つ興味深かったエピソードは、当時
、灯台建設に対して、海を照らすと魚が減ってしまうのではないかという懸念から、漁師たちから灯台建設即時停止の運動があったそうだが、実際灯台が竣工した後、鰹が豊漁になり、漁師たちは安心したということだ。
 灯台150周年記念式典の後、懇親会が開かれた。そこには、小学生、中学生等も家族と来ているのが見受けられた。愛知県や和歌山県、長崎県等、各地から、灯台絵画コンテスト受賞者が来ていた。素晴らしい絵画が会場前の廊下に飾られていた。
 この子供達一人一人が、未来を照らしてくれる役割を担ってくれるのだろう。そんな気がして、会場を後にした。




*11月5日、「灯台150周年記念式典」について、チャンネル桜「フロントジャパン桜」で、45分~1:00の所で話しています。下記URL参照。
https://www.youtube.com/watch?v=ZOajn-4eTEo


2018年11月1日木曜日

Everyday is a good day.

'Everyday is a good day. ' is a title of a Japanese film directed by Tatsushi OMORI, in which an actress KIKI Kirin played a role of a teacher of a tea ceremony, one of the Japanese traditional culture.
KIKI Kirin passed away this year at the age of 75,  she was also playing an important role in a film 'Shoplifters' which received the Palm d'Or of the Festival of Cannes this year 2018.

Why everyday is a good day? When it rains, we enjoy listening to the sounds of the rain. When it is sunny, we enjoy feeling the sunshine.
Everyday, we can learn something. Everyday, we can enjoy something.
Nature gives us lots of things, but we sometimes ignore or miss them.

We can make a day good or bad.
We can try to make a day better.

Tomorrow, it will be another day.

So, everyday is a good day.
A Happy Halloween!



美食外交

 今日はハロウィーン。カボチャ・パイに、パンプキン・スープ、それともかぼちゃの煮物?「Trick or Treat」(いたずらかおもてなしか)、もちろん、「おもてなしを」と言って、子供達がもらうのがキャンディーやお菓子。やっぱり食いしん坊、誰でも美味しいものが好き、食欲の秋です。
 先日、アラン・デュカス(Alain Ducasse)のドキュメンタリー映画、「宮廷のレストラン」を観た。アラン・デュカス氏は、今年亡くなったジョエル・ロビュション(Joel Robuchon)と並ぶ世界最高峰のフランス料理のシェフ。世界中に星付きのレストランを有す。彼がヴェルサイユ宮殿内に新しいレストランを開店する過程が映画化された。

 私は、アラン・デュカス氏の行動の様々な側面い感動し、感激し、元氣をもらった。
1 まず、彼は、徹底的に素材にこだわる。それも、自然を大切にする。「自然な美食」(la gastronomie de la naturalite)を追求し、自ら畑に出て、その場で野菜でも何でもかじる。
2 世界中、地球の果てまで行って探求する。映画では、日本に始まり、米国、ロンドン、中国、モンゴル、フィリピン、ブラジルと渡り歩くDucasse氏の姿があった。中国では、イランの技術を取り入れたキャビア養殖場を訪ね、ブラジルでは、チョコレートの素ととなるカカオの森林に入る。徹底した現場主義である。
3 人を大切にする。各地で、かつての教え子、弟子たちと会う。アメリカ人も、イタリア人も、フィリピン人も、皆、彼を尊敬し、彼に感謝する。フィリピンでは、スラムにも行く。料理人育成学校では、毎年、恵まれない若い人達に奨学金を出している。そして、全員、一定期間、パリで研修させる。メセナ(CSR)の一環かもしれないが、若い人達と肩を並べるグランド・シェフには愛情が感じられた。
4 妥協をしない。どこの国に行っても、どのレストランに行っても、すぐ厨房に入り、味見をして、チェックを欠かさない。各レストランのショフは、デュカス氏が現れると緊張している。気を抜けない。でも、真剣勝負。褒められると嬉しい。
5 アランは日本がお好き。毎年、4-5回来日すると言う。自分のレストランに寄るのはもちろん、日本食の小さなお店も訪れる。京都も好きだ。カウンターで気さくに食事をする。卵丼に山椒をかけたり、吟味した材料(なまこ?)を見ながら天ぷらを食したり……。カウンター越しに、日本人の料理人と会話を楽しむ。
6 アラン・デュカス氏は、レストランで一般客に美食をふるまうだけでなく、VIPや大きなパーティで外交を支える。オランド大統領の時には、気候変動の国際会議COPが開催されるのを聞き、いかに食事を倹約してリサイクルして提供できるかを会議の晩餐会で試したいと提案する。実現はしなかったが、ヴェルサイユ宮殿での晩餐会では、各国大使を相手に、自らも外交をする。
 ビジネスでも外交でも、空腹で交渉するものではないと言う。人間、空腹では不機嫌、やはり美味しい物を食べたり、美しい物を見たりすれば、誰しも幸せ気分である。
 外交にとって、食文化は非常に重要な要素。だからこそ、気も遣うが、フランス人や日本人は、口にうるさいだけに、美食外交は得意とするところだろう。
 美食は、外交の1つの武器である。
外務省のサイトに面白いページを見つけた。「公邸料理人」、外交を蔭から支える縁の下の力持ちである。Japan is Delicious! 「日本は美味しい!」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/ryourinin.html